ほんもの寺子屋の対象学年は、小学1年から中学3年生まで。
これだけの幅のある子どもたちが一緒に勉強するとなると、授業内容や教え方など様々な困難に直面します。

「それなら、普通の学校と同じように、学年ごとに分けた方がいいんじゃない?」
そんな疑問を抱かれる方も多いことと思います。
しかし一方で、わたしたちは「勉強は同じ学年(年齢)で学ぶべきもの」だと、思い込んではいないでしょうか。

そもそも、江戸時代の寺子屋では、異学年がひとつの教室で学ぶことが普通だったようです。

今の学校のスタイルは、明治時代以降に整備されたものが土台となっています。たくさんの子どもに対し、なるべく効率的に教える「コスパのよい学習方法」が、同学年の一斉学習形式だといえます。

明治時代の日本は、欧米列強に1日でも早く肩を並べることを最重要課題としていましたから、このやり方が効果的でした。しかし、人口縮小の局面を迎えて久しい現代日本で、このやり方が100年前と同様、正しい教え方だと言えるでしょうか。

これからの時代はむしろ、異学年が集まってひとつの教室で学び合うことで、年長者が年少者に教えることで学びを深めたり、異学年との生活を通じて刺激を受けたり、みんな違う環境の中で「思いやり(=恕)の心」を育むことが大切だと、ほんもの寺子屋は考えています。